適格請求書のテンプレート|無料エクセル形式で簡単ダウンロード!

適格請求書の作成や発行には、適格請求書の要件を満たすことが求められます。

本記事では、適格請求書の基本から、無料で使えるエクセル形式のテンプレートのダウンロード方法、編集・カスタマイズの仕方まで詳しく解説します。
これにより、事業者は適切な請求書管理ができ、インボイス制度に対応した取引がスムーズに行えるようになります。

特に、エクセルを利用することでコストを抑えつつ、自社の運用に合わせた請求書の作成が可能になります。
一方で、作成時の注意点や誤記入を防ぐ方法についても説明し、ミスを減らし、確実な処理を行うためのポイントもお伝えします。

また、エクセル以外の請求書作成方法としてWordやPDF、クラウドサービスとの比較を行い、それぞれのメリット・デメリットについても紹介します。

適格請求書の発行をスムーズに行いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

適格請求書の定義と役割

適格請求書とは、インボイス制度に基づいて発行される正式な請求書のことを指します。

2023年10月に導入されたインボイス制度により、消費税の仕入税額控除を適用するためには、取引先に対して適格請求書を発行し、その内容を適切に管理する必要があります。

適格請求書には、売り手の事業者が発行するものと買い手側が保存すべきものがあり、税務上の証憑として極めて重要な役割を担います。
また、適切に管理されていない場合、仕入税額控除が受けられなくなる可能性があるため、正確な記載が求められます。

適格請求書とインボイス制度の関係

インボイス制度は、消費税の適格な計算と納税を目的として導入された新制度です。
この制度の導入により、消費税の納税義務を適正化し、事業者間取引の透明性を高めることが期待されています。

インボイス制度のもと、消費税の仕入税額控除を適用するためには、登録された適格請求書発行事業者のみが適格請求書を発行できるというルールがあります。
つまり、適格請求書を発行するためには、税務署に登録申請を行い、適格請求書発行事業者として認められる必要があるのです。

また、買い手側は、仕入税額控除を受けるために適格請求書を保存し、税務申告時に必要な処理を行わなければなりません。
そのため、取引を行う際には、発行者の登録番号や適格請求書の形式を事前に確認することが重要です。

適格請求書を発行する際の必須記載事項

適格請求書を適切に発行するためには、一定の記載事項を満たす必要があります。
これは、国税庁が定める基準に基づいて決められており、誤りのないように遵守しなければなりません。

項目内容
適格請求書発行事業者の登録番号税務署から付与される登録事業者番号(Tから始まる番号)を記載する
取引の年月日請求に関わる取引が行われた日付を明記する
取引内容商品やサービスの具体的な内容を明記し、単価や数量も含める
適用税率と消費税額10%または軽減税率8%の違いを明確にし、それぞれの税率ごとの消費税額を記載する
請求金額の合計税抜価格と消費税を合算した総支払額を記載する
発行者の氏名または名称適格請求書を発行する事業者名を明記する

適格請求書を正しく作成することで、買い手側は仕入税額控除を適用でき、発行者側も適正な取引管理を行うことができます。
逆に、記載内容に不備があると、買い手が税額控除を受けられなくなる可能性があるため、正確な記載が重要です。

無料で使える適格請求書のエクセルテンプレート

適格請求書を作成する際には、正しく記載すべき項目が多く、手作業で作るとミスが発生しやすいです。そのため、無料で利用できるエクセル形式のテンプレートを活用することで、簡単に適格請求書を作成できます。ここでは、エクセル形式の適格請求書テンプレートの特徴や種類、カスタマイズ方法について詳しく解説します。

エクセル形式の適格請求書テンプレートの特徴

エクセル形式の適格請求書テンプレートには、以下の特徴があります。

  • 無料でダウンロードしてすぐに使える
  • 数式や入力補助機能を活用して計算ミスを防げる
  • 自社の情報を簡単にカスタマイズできる
  • PDFとして保存・発行が可能で電子データとして送付しやすい

エクセルのセルにはあらかじめ計算式が埋め込まれているテンプレートが多く、税込金額や消費税額が自動計算されます。そのため、手計算によるミスを防ぎながら、短時間で正確な適格請求書を作成することができます。

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ダウンロードできる適格請求書テンプレートの種類

適格請求書のエクセルテンプレートには、さまざまな種類があります。事業内容や請求先に応じて適切なフォーマットを選ぶことが重要です。

テンプレートの種類特徴用途
基本形式適格請求書の必須記載事項が網羅されている一般的な企業間取引向け
軽減税率対応軽減税率8%と標準税率10%の内訳を自動算出飲食業や食品販売業向け
品目別明細付き複数の品目を詳細に記載できる多品目を請求する事業者向け
税計算自動化消費税や合計金額を自動計算計算ミスを防ぎたい事業者向け
英語対応英語表記が含まれ、海外取引にも対応海外取引を行う企業向け

自社の業種や取引形態に合ったテンプレートを選ぶことで、業務の効率化を図ることができます。

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エクセルを活用したテンプレートのカスタマイズ方法

ダウンロードしたテンプレートは、事業に合わせてカスタマイズすることが可能です。以下のようなポイントを押さえて編集すると、より使いやすい適格請求書になります。

自社情報の登録

まず、テンプレートのヘッダー部分に自社名、住所、電話番号、適格請求書発行事業者番号を入力します。これにより、毎回入力する手間を省き、記載ミスを防ぐことができます。

フォーマットの調整

取引先ごとにレイアウトを変更したい場合は、フォントの種類、セルの幅、行の高さなどを調整しましょう。また、企業ロゴを挿入することで、より正式な書類としての印象を与えることができます。

消費税計算の自動化

税率が変更される可能性もあるため、税率を変更できる入力欄を作成しておくと便利です。消費税額は「=小計×税率」といった数式を用いることで、自動計算が可能になります。

関数を活用した入力補助

エクセルのVLOOKUP関数やIF関数を利用することで、取引先情報や商品情報を自動入力させることもできます。これにより、手入力の手間を削減し、入力ミスを防ぐ効果が期待できます。

エクセルテンプレートを適切にカスタマイズすることで、自社の業務に最適化された適格請求書を作成できるようになります。

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適格請求書テンプレートの使い方と記入例

エクセルテンプレートへのデータ入力手順

適格請求書のエクセルテンプレートに正しくデータを入力することで、インボイス制度に対応した適切な請求書を作成できます。

以下の手順に従って入力してください。

入力項目説明入力例
請求書発行日請求書を発行した日付を記載2024/06/10
請求書番号各請求書に割り当てる番号(任意)INV-202406-001
発行者情報会社名、住所、電話番号、登録番号を記載〇〇株式会社
東京都〇〇区〇〇町1-2-3
03-1234-5678
T1234567890123
請求先情報取引先の会社名・住所・担当者名を記載株式会社△△
大阪府△△市△△町4-5-6
田中 太郎
取引内容提供した商品・サービスの名称、数量、単価を記載コンサルティングサービス 10時間 × 5,000円
消費税額税率ごとに区分し、消費税額を記載適用税率:10%
合計請求額税込みの合計金額を記載55,000円
振込口座情報銀行名、支店名、口座番号を記載〇〇銀行 ○○支店 普通 1234567

必要事項を入力した後、記載漏れや誤記がないかを確認してください。

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記入例をもとにした適格請求書の作成ポイント

実際にエクセルで適格請求書を作成する際のポイントを具体的な記入例とともに紹介します。

  1. 社名・登録番号は省略せずに記入
    適格請求書発行事業者としての登録番号は、税務署から通知された番号をそのまま記載してください。
  2. 消費税率ごとの税額を明確に表示
    標準税率(10%)と軽減税率(8%)が混在する場合、それぞれ区分して記載する必要があります。
  3. 合計金額の計算ミスに注意
    エクセルの計算式を適切に設定することで、ヒューマンエラーを防ぐことができます。

保存とPDF化による適格請求書の発行方法

エクセルで作成した適格請求書を適切に保存し、取引先へ送付するための手順を説明します。

エクセルファイル形式での保存

  • 編集可能な状態を維持するために、元データをExcel形式(.xlsx)で保存しておきます。
  • バックアップのため、クラウドストレージ(Google DriveやDropboxなど)に保存しても良いでしょう。

PDF化の手順

請求書をPDF形式で保存することで、改変を防ぎ、取引先に送付しやすくなります。

以下の方法でPDF化します。

  1. エクセルで適格請求書を開く
  2. [ファイル] メニューから [エクスポート] を選択
  3. [PDF/XPSの作成] をクリックし、保存場所を指定
  4. [発行] ボタンをクリック

PDF化した請求書はEメールに添付して送付するのが一般的です。

電子帳簿保存法への対応

電子データで請求書を管理する場合、電子帳簿保存法に準拠した管理が必要です。

適格請求書をデジタル保存する際は、以下の点を確認してください。

  • 保存データに改変防止措置を講じる(タイムスタンプの付与やアクセス制限)
  • 検索機能を確保し、必要な取引情報を即時に参照できるようにする

紙での発行・保存も引き続き可能ですが、デジタル化に対応することで業務の効率化を図ることができます。

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適格請求書をエクセルで作成するメリットと注意点

エクセルを使うメリット コスト削減とカスタマイズ性

適格請求書を作成する方法はいくつかありますが、その中でもエクセルを活用することには大きなメリットがあります。
特に、コスト削減や自由度の高いカスタマイズが可能な点が魅力です。

以下に、エクセルで適格請求書を作成する具体的なメリットを紹介します。

メリット詳細
ソフトの導入コストが不要エクセルは多くの企業や個人が既にインストールしており、新たなソフトを購入する必要がないため、追加コストがかかりません。
自由なカスタマイズが可能フォントの変更やレイアウト調整、計算式の追加など、業務に最適な形に調整できます。
計算の自動化エクセルの数式を活用することで、消費税や合計金額の計算を自動化できます。
データ管理がしやすい過去の請求書データを一元管理しやすく、検索や集計も簡単に行えます。

エクセルで適格請求書を作成する際の注意点

エクセルを用いた適格請求書の作成には多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。

適格請求書は法律に基づく書類であり、誤った記載があると取引先に迷惑をかける可能性があるため、以下の点に気を付けましょう。

  • 適格請求書として有効となる必須記載事項を漏れなく記入する。
  • 税率ごとの適用税率・消費税額の記載ミスを防ぐために、数式やテンプレート構成を正しく設定する。
  • 請求書の管理が自己責任となるため、バックアップを定期的に取る
  • 送信する際はPDF化し、ファイルの改ざんを防止する。

誤記入を防ぐためのチェックリスト

適格請求書では誤記入を防ぐことが非常に重要です。

以下のチェックリストを活用し、発行前に確認しましょう。

チェック項目確認事項
登録番号が正しく記載されているか適格請求書発行事業者の登録番号を記載し、間違いがないことを確認。
発行日が正しく記入されているか請求書の日付が適切に記載されているかチェック。
取引内容が明確に記載されているか取引の詳細が具体的に記載され、誤解を招かないようになっているか確認。
適切な税率と消費税額が記載されているか軽減税率対象の取引の場合、標準税率と分けて記載されているかをチェック。
請求金額の計算が正しいか合計金額や税額に誤りがないか、数式の設定も含めて再確認。
適切な宛先になっているか取引先名や担当者の名前が間違っていないかチェック。

エクセルを活用すれば、テンプレートを効果的に使いながら適格請求書を簡単かつ正確に作成できます。
ただし、誤記入や計算ミス、保存の問題には十分注意し、正しく管理・発行することが重要です。

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他の形式との比較 エクセルとWord PDF クラウドサービス

適格請求書を作成する際には、エクセルだけでなく、WordやPDF、クラウドサービスなどのさまざまな方法があります。

それぞれの形式には異なる特徴があり、業務の効率化やコスト削減の観点から、自社に適した方法を選ぶことが重要です。

ここでは、各形式のメリット・デメリットを比較し、どの方法が適しているのか解説します。

エクセルとWordの違い どちらが便利か

エクセルとWordは、どちらも請求書作成に利用できますが、使いやすさや機能面で大きな違いがあります。

それぞれの特徴を以下の表に整理しました。

項目エクセルWord
計算機能関数を利用して自動計算が可能計算機能がないため手計算が必要
レイアウトの柔軟性セル単位で自由に調整可能デザインの自由度が高いが位置調整が難しい
テンプレートの管理テンプレートを保存し簡単に再利用できるテンプレート作成は可能だがデータ管理が煩雑

エクセルは計算処理の自動化が可能であり、特に税率の計算や合計金額の算出に便利です。

一方、Wordはデザイン性に優れていますが、計算機能がないため、請求書作成にはあまり向いていません。

PDFでの請求書発行のメリットとデメリット

PDFは、請求書の電子データとして広く利用されています。

PDF形式を活用することで、文書の改ざんを防ぎ、データの互換性を維持することが可能です。
しかし、エクセルやWordとは異なる特性があるため、注意が必要です。

メリットデメリット
文書の改ざん防止ができるデータの編集が難しい
あらゆるデバイスで統一したレイアウトで表示できるエクセルのように自動計算ができない
電子メールで簡単に送付できる請求書のテンプレート管理が柔軟ではない

PDFは完成形の請求書を安全に送信する際に最適ですが、作成・編集の柔軟性には欠けます。
そのため、エクセルやWordで請求書を作成した後、最終的にPDFとして保存する方法が一般的です。

クラウド請求書サービスを利用する選択肢

近年、クラウド請求書サービスを活用する事業者が増えています。
これらのサービスを利用することで、請求データの一元管理や、オンライン上での自動処理が可能になります。

メリットデメリット
自動で税率計算や書式設定ができる利用にコストがかかる
電子帳簿保存法に対応しペーパーレス化が可能インターネット環境がないと利用できない
請求書の一元管理が容易サービス停止時のバックアップ管理が必要

クラウドサービスは、特に業務の効率化やペーパーレス化を進める企業にとって魅力的な選択肢です。
一方で、月額料金が発生することや、インターネット環境が必須である点には注意が必要です。

このように、エクセル・Word・PDF・クラウドサービスそれぞれに特性とメリット・デメリットがあります。

業務の効率やコストを考慮し、自社の運用に最適な方法を選択することが重要です。

請求書を作るのにパソコンを開くのはもうやめよう。スマホでピッとパッと証憑書類作成!

適格請求書は、インボイス制度に対応した正式な請求書として重要な役割を果たします。

適格請求書を作成する際は、必要な記載事項を正しく記入し、誤記入を防ぐためのチェックを行うことが大切です。

無料のエクセルテンプレートを活用すれば、簡単に適格請求書を作成でき、コストを抑えつつカスタマイズも可能です。
ただし、計算ミスや保存形式に注意し、PDF化して送付することでトラブルを避けることができます。

エクセル以外にもWordやクラウド請求書サービスといった選択肢があります。

それぞれの特徴を理解し、自社の業務に最適な方法で請求書を管理しましょう。

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