請求書テンプレートを無料で利用するメリット
コスト削減と業務効率化
無料の請求書テンプレートを活用することで、ソフトウェアの購入費用や外注費などのコストを大幅に削減できます。
業務用の請求書作成ソフトや会計システムを導入する場合、初期費用や月額費用が発生しますが、無料テンプレートなら導入費用がかかりません。
また、最初から用意されたフォーマットを利用するため、一から請求書を作成する手間も省け、業務の効率化にも繋がります。
エクセルやワードの基本操作ができればすぐに使い始められるため、小規模事業者や個人事業主にもおすすめです。
比較項目 | 無料テンプレート | 有料ソフト |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | 数千円〜数万円 |
月額費用 | 0円 | 数百円〜数千円 |
導入の手軽さ | ダウンロードしてすぐ利用可能 | アカウント登録や設定が必要 |
カスタマイズ性 | 自分で編集可能 | 制限がある場合も |
請求書のミス防止
請求書テンプレートには、必要な項目(取引先情報・請求金額・日付・振込先など)があらかじめ配置されているため、記載漏れやミスを防ぐことができます。
テンプレートによっては計算式が組み込まれており、合計金額や消費税、自動計算機能により数字の転記ミスも減少します。
これにより、手書きやゼロからの作成に比べて、正確性が大幅に向上します。
さらに、消費税率やインボイス制度など法律に沿った内容でテンプレートが設計されているケースも多く、最新ルールに簡単に対応できる点も大きなメリットです。
取引先との信頼性アップ
整ったフォーマットの請求書を送付することで、取引先に対して信頼感や安心感を与えることができます。
ビジネスの現場では、書類の体裁がしっかりしていることでスムーズな入金や取引の継続に繋がる場面も多く見られます。
テンプレートを利用すればフォーマットが統一され、書式やデザイン、ロゴの追加などにも柔軟に対応できるため、相手先ごとに印象を損なう心配がありません。
結果として、効率的かつスマートなビジネスコミュニケーションが実現でき、ビジネスチャンスの拡大にも寄与します。
請求書テンプレートを選ぶポイント

フォーマットの種類と特徴
請求書テンプレートにはExcel・Word・PDFなど複数のファイル形式があります。
フォーマットごとの特徴を理解して、自社の業務スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
例えば、Excel形式なら自動計算やカスタマイズ性が高いですが、PDF形式なら改変されにくく、正式な書類として信頼性が高いといえます。
フォーマット | 主な特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Excel | 数式・自動計算対応 | 計算ミス防止・編集が簡単 | 相手先の環境によってレイアウトが崩れる場合あり |
Word | レイアウト編集が柔軟 | 文章やレイアウトを詳細に編集可能 | 計算は手動入力、誤入力リスクあり |
レイアウトが崩れにくい | 正式な書類として信用性が高い | 編集・修正が難しい |
Excel・Word・PDFの各フォーマットの特徴を把握し、用途や相手先に合わせて最適なファイル形式を選びましょう。
業種や用途別のテンプレート選び
業種や用途によって必要な記載項目やレイアウトは異なります。自社の業態や業種を考慮したテンプレート選びが大切です。
例えば、フリーランスや個人事業主向けのシンプルなデザイン、建設業や士業など専門的な項目が必要な業種向け、複数案件や分割支払いに対応したテンプレートなど用途に合わせて最適なものを選択しましょう。
業種・用途 | おすすめテンプレート例 | 特長 |
---|---|---|
フリーランス・個人事業主 | シンプルな構成・1ページ | 汎用的で誰でも使いやすい |
建設業 | 工事内訳明細欄付き | 部材や作業工程ごとの記載が可能 |
士業(税理士、社労士など) | 複数案件・報酬欄付き | 案件ごとの明細に対応しやすい |
物販・卸売 | 商品明細・数量欄重視 | 品目や数量・単価を入力しやすい |
継続取引(サブスクリプション) | 期間・回数対応型 | 複数回請求に便利 |
自分の業種や業務内容、取引先とのやりとりの頻度・形態などに合わせて、必要十分な項目があるテンプレートを選ぶことが重要です。
カスタマイズのしやすさ
無料テンプレートはそのまま使える反面、ロゴの挿入や色・レイアウトの変更、必要項目の追加・削除が容易かどうかも確認しましょう。
特にExcelやWord形式であれば自社フォーマットへの変更もしやすい傾向があります。
ただし、PDFは編集が難しいため、カスタマイズ性を重視する場合は編集可能なファイル形式を選択しましょう。
また、自社のブランディング強化や相手先の要望に柔軟に対応するためにはカスタマイズ性が大切です。
編集ツールやテンプレート自体にパスワード制限や保護設定がないかも確認しましょう。
おすすめの無料請求書テンプレート一覧

無料で利用できる請求書テンプレートは、作成ツールや目的に合わせて様々な種類があります。
ここでは、代表的なExcel・Word・PDFそれぞれの形式で使いやすく、日本国内で広く利用されている請求書テンプレートを特徴やおすすめシーン、ダウンロード方法とともにご紹介します。
Excel請求書テンプレート
特徴とおすすめシーン
Excelで作成できる請求書テンプレートは、自動計算機能が充実しているため、件数や金額の入力作業が多い場合や、税・割引・源泉徴収等の計算ミスを防ぎたい場合におすすめです。
関数を利用して合計金額や消費税の自動計算が可能なため、複数の取引先への請求や頻繁な請求書発行業務にも最適です。
見積書や納品書との連携もExcelなら容易に行えます。
Word請求書テンプレート
特徴とおすすめシーン
Wordの請求書テンプレートは、自由なレイアウト編集が可能で、ロゴや会社情報の位置変更、デザイン調整が簡単にできる点が特長です。
デザイン性を重視したい企業や、請求書のブランドイメージを高めたい場合におすすめです。
図やテーブルを使った凝ったレイアウトも簡単に作成できます。
PDF請求書テンプレート
特徴とおすすめシーン
PDF形式の請求書テンプレートは、レイアウト崩れの心配がなく、どのパソコンやスマートフォンでも同じ見た目で保存・送付できるのが最大のメリットです。
紙で印刷しても美しいだけでなく、電子メール添付で送付する際にもおすすめです。
また、編集可能なPDFテンプレートを用いれば、Acrobat Readerなどで直接入力して利用できます。
請求書テンプレートの使い方ガイド

必要項目の入力方法
請求書テンプレートを正しく活用するためには、必要項目を正確に入力することが不可欠です。
通常、請求書には発行日、請求書番号、取引先名、自社名・住所・電話番号、品目、数量、単価、金額、消費税、合計金額、支払期限、振込先口座情報などが含まれます。
下記の表に主要な請求書必要項目一覧を整理します。
項目名 | 記載内容 | 記載ポイント |
---|---|---|
請求書発行日 | 請求書を発行した日付 | 取引日や締日とずれないよう注意 |
請求書番号 | 請求書を特定するための管理番号 | 重複を避けて連番やルール化推奨 |
取引先情報 | 会社名、担当者名、住所、電話番号 | 正式名称や正確な情報を記入 |
自社情報 | 会社名、住所、電話番号、担当者名 | 捺印が必要な場合の欄も用意 |
品目・サービス名 | 提供した商品やサービスの名称 | 内訳明細としてわかりやすく記載 |
数量・単価 | 数量や金額、単価 | 端数や数量ミスに注意 |
小計・消費税 | 小計金額、税抜・税込表示 | 税率や課税区分を明記 |
合計金額 | 最終的な請求合計額 | 金額の記載ミスを防止 |
支払期限 | 支払いの締切日 | 明確な日付で記載 |
振込先口座 | 金融機関・支店名・口座番号 | 口座名義も正確に |
テンプレートの該当箇所にこれらの項目を漏れなく記入することで、スムーズかつ正確な請求書作成が可能です。
特にExcelやWordの場合は「セルの保護」機能などを活用し、うっかり編集ミスを防ぎましょう。
消費税・源泉徴収などの対応
日本国内の取引では、消費税や場合によっては源泉徴収税の計算・表示が求められます。
テンプレートを使う際には税率や課税・非課税区分を正しく入力し、税金計算欄の自動計算機能を活用することで手計算によるミスを削減できます。
消費税の記載例としては「税抜金額」「消費税額」「税込金額」をそれぞれ明記します。
また、デザインによっては消費税率(例:10%、8%)を備考欄や明細行ごとに記載できるテンプレートも用意されています。
源泉徴収が必要な場合には、税引前金額に対し源泉徴収額を正しく差し引き、支払金額と請求金額の両方を明確に表示しましょう。
項目 | 記載例 | 注意点 |
---|---|---|
消費税 | 消費税10%:1,000円、税込合計:11,000円 | 税率変更時の対応が必要 |
源泉徴収 | 源泉所得税:▲1,021円 | 源泉対象業務か確認(例:士業や報酬類) |
ご利用のテンプレートが消費税・源泉徴収対応かどうかも事前に確認しましょう。
電子メールや郵送での送付手順
請求書は取引先に確実に届く方法で送付することが大切です。
近年はペーパーレス化や働き方改革の影響で電子メール送付が一般的になっていますが、取引先によっては従来通り郵送が求められる場合もあります。
送付方法 | 手順 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
電子メール送付 | 1.請求書テンプレートをPDF変換 2.電子署名・捺印(必要時) 3.メール本文に要件明記、添付して送信 | 早く確実に送れる 履歴が残せる | 宛先メール誤入力に注意 セキュリティ確保 |
紙媒体郵送 | 1.請求書テンプレートを印刷 2.押印・封入 3.住所確認後、郵送 | 従来型で信頼性高い 原本で保管できる | 郵送費・手間がかかる 発送・到着に時間 |
取引先の要望や社会的傾向に合わせて、適切な方法で請求書を送付しましょう。
PDF出力や電子署名に対応したテンプレートも増えているため、用途に応じて選択することをおすすめします。
テンプレートを活用した請求書作成の注意点

法律や会計上の要件
請求書は、商取引を正確かつ適法に行うための重要な証憑書類です。
無料テンプレートを利用する際は、以下の法律や会計基準を満たす必要があります。
要件項目 | 具体的な内容 |
---|---|
記載必須事項 | 請求日、取引年月日、請求元・請求先の正確な会社名・住所、取引内容、金額、消費税額、合計金額など |
法人番号の記載 | 会社間の取引では、請求元の法人番号を記載することが推奨されています。 |
会計処理との整合性 | 仕訳帳や会計ソフトへ入力する内容と差異がないように注意しましょう。 |
押印の必要性 | 近年は押印不要となる場合も増えていますが、取引先の要求に応じて電子印や社印を添付するケースも考慮しましょう。 |
テンプレートに上記必要項目が含まれているか、ダウンロード前に必ず確認し、不足があればカスタマイズを行いましょう。
インボイス制度との関係
2023年10月から開始したインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、課税事業者は「適格請求書」を発行・保存する義務が生じます。
無料テンプレートを利用する場合、以下の条件を満たしているか確認が必要です。
インボイス(適格請求書)の要件 | 補足説明 |
---|---|
登録番号の明記 | 適格請求書発行事業者番号(T+13桁)を必ず表記 |
消費税額ごとの区分記載 | 8%・10%の税率ごとに小計・消費税・合計を分けて記載 |
税率ごとの取引金額 | 軽減税率対象取引がある場合など、税率ごとに明記 |
返還や値引き対応の方法 | 返品や値引きも、登録番号・税額記載が必要 |
古いテンプレートの場合は上記に未対応のこともあるため、インボイス対応済みの最新版テンプレートを選択しましょう。
請求書保存のルール
作成した請求書の保存期間は、法人税法および消費税法により原則7年間とされています(場合によっては最長10年)。
保存方法にも注意が必要です。
保存方法 | 主なポイント |
---|---|
紙での保存 | 原本を取引先へ送付し、控えは社内でファイル管理。押印、日付の確認を忘れずに。 |
電子保存(電子帳簿保存法) | 電子メールやPDFでのやりとりが増えていますが、2022年改正「電子帳簿保存法」では改ざん防止措置・検索性確保が必須。タイムスタンプやシステム管理を活用しましょう。 |
クラウド管理 | freeeやマネーフォワード クラウド請求書などのツールでは、自動で法的保存要件に対応するサービスもあります。 |
無料テンプレートを利用しても、作成後のデータ保存・管理ルールは必ず守り、税務調査時などにスムーズに書類提出できる環境を整えておきましょう。
クラウドサービスやアプリでさらに便利に

無料で使える請求書発行サービス
近年はインターネットを活用したクラウド型請求書発行サービスが多く登場しており、無料プランでも十分な機能を備えているものが増えています。
代表的な無料請求書発行サービスとしては「Misoca(ミソカ)」「freee会計」「MONEY FORWARD クラウド請求書」などが挙げられます。
これらのサービスを利用すれば、テンプレート作成から送付、管理まで一元化でき、PCやスマホからいつでもどこでも請求書を発行できます。
無料プランでも複数ユーザーやクラウド保存、テンプレートの自動合計計算、PDF出力など基本的な機能をカバーしているため、個人事業主や小規模法人にもおすすめです。
サービス名 | 主な特徴 | 無料プランの有無 |
---|---|---|
Misoca | 直感的な操作と豊富なテンプレート、メールや郵送も一括管理 | 〇 |
freee会計 | 会計業務連携、請求・領収書・見積書にもワンクリック対応 | 〇 |
MONEY FORWARD クラウド請求書 | 自動仕訳や会計連携、専用アプリあり | 〇 |
代表的なクラウド請求書管理ツール
請求書作成以外にも、支払状況や請求履歴の一元管理、複数部門での共有、会計ソフトとの連携など、社内業務を効率化したい場合はクラウド請求書管理ツールの活用が効果的です。
「弥生会計オンライン」や「Bill One」などは、請求書受領やデータ化、自動仕訳処理が可能で、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
また、リアルタイムでステータス管理ができるため、営業担当や経理部門の連携ミスの防止にも寄与します。
セキュリティ対策も強化されており、バックアップやアクセス権限管理機能が標準搭載されているのも大きな魅力です。
ツール名 | 主な機能 | インボイス制度対応 |
---|---|---|
弥生会計オンライン | 請求書一括管理、会計処理自動化、銀行連携、クラウド保存 | 〇 |
Bill One | 請求書受取の完全電子化、AIによるデータ化、支払進捗管理 | 〇 |
マネーフォワードクラウド請求書 | 各種帳票出力、ワークフロー、他サービスとの連携 | 〇 |
スマホアプリの活用事例
最近は、スマートフォンアプリを使ってその場で請求書を作成・送付できるサービスも普及しています。
たとえば「請求書 Quick」や「MakeLeaps」などのアプリでは、外出先で即座に請求書の作成・編集・送付が可能となり、迅速な取引対応が実現できます。
さらに、各種クラウドサービスと連携していれば、PCや他の端末とデータをシームレスに共有でき、紙ベースでの管理が不要になるため、働き方改革やテレワーク推進にも貢献します。
プッシュ通知機能を備えたアプリも多く、入金確認や督促業務もスマートに管理できます。
スマホ対応のテンプレートを使えば、取引先の要望に合わせた柔軟な請求書対応も手軽に実施できます。
よくある質問

請求書テンプレートのカスタマイズ方法は?
多くの無料請求書テンプレートは、ExcelやWordで配布されているため、簡単にご自身の業務やブランドカラーに合わせたカスタマイズが可能です。
ロゴの挿入、社名や振込先情報の変更、レイアウトやフォントの調整などを行うことで、自社仕様の請求書を作成できます。
特にExcelでは計算式やセルの編集も柔軟にでき、項目追加や書式変更も容易です。
また、PDF形式は基本的に内容の編集が難しいため、カスタマイズしたい場合はWordやExcelで修正した後、PDFに変換する方法が一般的です。
Excel・Word・PDFの選び方は?
形式 | 特徴 | おすすめの利用シーン |
---|---|---|
Excel | 自動計算機能が使え、項目やデザインの編集が柔軟に可能。 | 頻繁に請求書を発行する、明細が多い、計算ミスを防ぎたい場合に最適。 |
Word | レイアウトやデザイン重視で、文字編集や細かな装飾も行いやすい。 | デザインにこだわりたい、内容がある程度固定されている請求書に。 |
内容の改ざんがされにくく、印刷や電子送付に適している。 | 完成形として保存・配布したい場合、相手方に編集させたくない時に。 |
利用シーンや目的、社内の業務フローにあわせて、最適なファイル形式を選択しましょう。
無料テンプレートと有料ソフトの違いは?
無料の請求書テンプレートはコストをかけずに導入でき、すぐに使える手軽さがあります。
一方、有料の請求書作成ソフトやクラウドサービスは、請求内容の自動集計、郵送や電子メール送付機能、取引先の管理、インボイス制度への対応、電子帳簿保存法への準拠など、より高度な業務効率化と法令対応が求められる場合に適しています。
無料テンプレートは個人事業主や小規模なビジネスに最適ですが、取引量や管理業務が増えた場合は、有料の専門サービスを検討する価値があります。
まとめ
請求書を無料テンプレートで作成することで、コスト削減と業務効率化が両立できます。
Excel・Word・PDFなど多様なフォーマットが選べ、弥生やfreeeなどのクラウドサービスも活用すれば、法令遵守やインボイス制度への対応も容易です。
取引先との信頼構築にもつながるため、ぜひ便利なテンプレートを積極的にご活用ください。