請求書の作成は、ビジネスにおいて欠かせない業務の一つですが、毎回ゼロから作成するのは手間がかかります。
本記事では、Excel・Word・PDF形式の無料テンプレートを提供し、効率的に請求書を作成できる方法を紹介します。
また、請求書テンプレートを利用するメリットや、適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応した書き方についても解説します。
さらに、業種別に適したテンプレートの選び方や、無料で使える請求書作成ツールについても紹介します。
この記事を読むことで、ご自身の用途に最適な請求書テンプレートを見つけ、正しく記入する方法を理解できます。
ぜひ本記事を活用し、請求業務の効率化を図りましょう。
請求書テンプレートを利用するメリット
手間を省き効率化できる
請求書を一から作成するのは手間がかかり、ミスが発生する可能性もあります。
しかし、請求書テンプレートを活用することで、作業時間を短縮し、業務の効率化を図ることができます。
特に、エクセル(Excel)やワード(Word)形式のテンプレートであれば、金額の自動計算や簡単な編集が可能です。
テンプレートを使うことで、一度設定すれば、毎回同じフォーマットの請求書を素早く作成できます。
フォーマットが整っていてミスを防げる
請求書には、取引先の企業名や請求金額、振込先など、記載すべき項目が多数あります。
テンプレートを使用することで、記載漏れやミスを防ぎ、正確な請求書を作成することができます。
特に適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応する場合、消費税や税率の記載が必要となります。
フォーマットが整ったテンプレートを活用することで、国税庁の定める請求書の要件を満たすことが容易になります。
無料で利用できコスト削減につながる
テンプレートを活用すれば、無料で請求書を作成できるため、コスト削減につながります。
有料の請求書作成ツールを導入することも一つの選択肢ですが、小規模事業者やフリーランスの方にとっては、無料テンプレートを使うことで、経費を抑えられる点が大きなメリットです。
また、多くの企業や個人事業主向けに、freeeの請求書テンプレートのような無料でダウンロードできるサービスが提供されています。
これらを活用することで、デザイン性や機能性を考慮しつつ、適切な請求書を効率よく作成できます。
請求書の基本項目と正しい書き方

請求書に記載すべき基本項目
請求書は取引先へ代金を請求する重要な書類です。
請求書には法律で定められた必要事項があり、適切に記載することでスムーズな取引が可能になります。
特に適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応するためには、必須項目を漏れなく記載することが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
請求書発行日 | 請求書を発行した日付を記載します。取引の日付ではなく、発行日であることに注意。 |
請求書番号 | 管理をしやすくするための番号を付与します。取引先ごとや発行日ごとに一意の番号を設定すると便利です。 |
請求先情報(宛名) | 取引先の正式名称、住所、担当者名を記載します。法人の場合は会社名と担当部署名も明記。 |
発行者情報 | 請求書を発行する側の会社名(または個人名)、住所、連絡先を記載します。 |
請求金額 | 税込・税抜の金額を記載し、消費税率と税額も明記します。 |
取引内容 | 提供した商品やサービスの詳細、数量、単価、合計金額を一覧で記載します。 |
支払期限 | 代金の支払い期限を明記し、未払いを防ぎます。 |
振込先情報 | 銀行名、支店名、口座種別(普通・当座)、口座番号、口座名義を記載します。 |
記入時の注意点と適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応
請求書を作成する際には、誤記や漏れがないように慎重に記入する必要があります。
また、2023年10月から施行された適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応するため、特定の要件を満たす必要があります。
適格請求書発行事業者の登録番号を記載する
インボイス制度に対応するためには、適格請求書発行事業者の登録番号を明記する必要があります。
この登録番号は国税庁のデータベースで確認できます。
消費税率と税額を明確に表示
請求書には、適用する消費税率(10%・8%など)と、それに対する消費税額を明記する必要があります。
軽減税率が適用される場合には、区別して記載することが求められます。
記入ミスを防ぐポイント
- 社名や取引先名を正式名称で記載する
- 日付や金額の誤記をしないよう複数回確認する
- 税率の計算ミスがないかチェックする
- 必要に応じて、社内で確認・承認のフローを設定する
電子請求書の活用
紙の請求書だけでなく、電子請求書を活用することで業務効率の向上が期待できます。
近年では政府の電子帳簿保存法により、PDFやクラウドサービスでの請求書保存が法的に認められています。
無料で利用できる請求書テンプレート一覧

請求書の作成を効率化するために、さまざまな形式の無料テンプレートが提供されています。
本章では、Excel・Word・PDFの3つの主要なフォーマット別に、使いやすい請求書テンプレートを紹介します。
それぞれの形式には特徴があり、用途に応じて最適なものを選ぶことが可能です。
Excel形式の請求書テンプレート
Excelは、計算式を使って自動計算ができるため、金額のミスを防ぎながら請求書を作成するのに適しています。
以下のような便利なテンプレートが無料で利用できます。
Word形式の請求書テンプレート
Wordは、自由に編集しやすく、レイアウトを簡単に調整できる点がメリットです。
特に、企業ロゴやデザインを調整したい場合に便利です。
PDF形式の請求書テンプレート
PDFは、フォーマットが崩れず、電子データで取引先に送付する際に適した形式です。
PDFで作成された請求書は、印刷時にもレイアウトが保持されます。
業種別に使える請求書テンプレートの選び方

請求書は業種によって記載すべき項目やフォーマットが異なる場合があります。
適切な請求書テンプレートを選ぶことで、業務効率化や取引先との信頼関係の向上につながります。
ここでは、業種ごとに適した請求書テンプレートの選び方を紹介します。
フリーランス向けの請求書テンプレート
フリーランスや個人事業主が請求書を発行する際は、シンプルで使いやすいテンプレートがおすすめです。
特に以下の項目を含めたテンプレートを選ぶとよいでしょう。
- 氏名または屋号(事業者名)
- 取引先の社名・担当者名
- 請求額・消費税額
- 振込先情報(銀行名、口座番号)
- 業務内容の詳細(例:ライティング、デザイン作成など)
また、報酬に対して源泉徴収が発生する場合があるため、源泉徴収税額を記載できるフォーマットのテンプレートを選択しましょう。
企業・法人向けの請求書テンプレート
企業や法人では、請求書に求められる形式が厳格になる場合が多いです。
社内の経理業務を効率化し、取引先の審査をスムーズにするためにも、以下の項目を満たすテンプレートを選びましょう。
必要な項目 | 理由 |
---|---|
発行元の社名・住所・電話番号 | 取引先が請求元を特定できるようにするため |
取引先の社名・担当部署名 | 適切な部署で処理してもらうため |
請求番号(管理番号) | 請求書の管理を簡単にするため |
社印や署名 | 正式な請求書として信頼性を確保するため |
振込先(銀行名、支店名、口座番号) | スムーズに入金処理してもらうため |
特に法人間取引では長期的な契約の場合も多いので、適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応したテンプレートを選び、消費税の記載や適格請求書発行事業者番号の明記を忘れないようにしましょう。
消費税・源泉税対応の請求書テンプレート
消費税や源泉税が適用される取引では、それぞれ計算方法が異なるため、専用のフォーマットを活用することが重要です。
消費税対応の請求書テンプレート
消費税対応の請求書では、以下の点を明記したテンプレートを使用すると便利です。
- 税抜金額
- 消費税率(例:10%・軽減税率8%など)
- 消費税額
- 総額(税込み金額)
- 適格請求書発行事業者番号
適格請求書発行事業者の登録が必要な場合は、適格請求書発行事業者番号を記載できるフォーマットを選びましょう。
詳しくは、国税庁の公式サイトを参考にしてください。
源泉徴収に対応した請求書テンプレート
フリーランスや特定の業種では、源泉所得税の控除が必要となる場合があります。
その場合、以下の項目を含むテンプレートを選びましょう。
- 報酬金額(税抜)
- 源泉徴収税額
- 差引支払金額(振込金額)
- 消費税(必要に応じて)
源泉徴収に関する詳細な計算方法については、国税庁の源泉徴収に関する説明を確認してください。
無料の請求書作成ソフト・ツールの紹介

請求書を作成する際、無料の請求書作成ソフト・ツールを活用すれば、手間を省き効率よく作業できます。
特に、エクセルやワードを使用せずに、オンライン上で手軽に作成・管理できるクラウドサービスが人気です。
ここでは、おすすめの無料請求書作成ツールを紹介します。
クラウドサービスを活用した請求書作成
クラウド型の請求書作成ツールは、インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスでき、データを安全に管理できます。
さらに、インボイス制度にも対応したものが多く、法的要件を満たした請求書を簡単に発行できる点もメリットのひとつです。
クラウド型ツールのメリット
- インターネット環境があればどこでも請求書の作成・管理が可能
- バックアップが不要で、データが安全に保存される
- テンプレートを利用して統一されたフォーマットで請求書を発行できる
- インボイス制度対応で、適格請求書を簡単に発行できる
おすすめの無料請求書作成ツール
無料で利用できる請求書作成ツールの中には、ユーザー数が多く信頼性の高いものがいくつかあります。
用途に応じて最適なツールを選びましょう。
ツール名 | 特徴 | 無料プランの有無 | 公式サイト |
---|---|---|---|
Misoca | クラウド型で簡単に請求書・見積書を作成。インボイス制度対応。 | ◯(月5通まで無料) | Misoca公式サイト |
Freee請求書 | 会計ソフトと連携可能。自動で売上管理ができる。 | ◯(一部機能制限あり) | Freee請求書公式サイト |
マネーフォワード クラウド請求書 | クラウド会計ソフトと連携し、請求業務を自動化。 | ◯(一部機能制限あり) | マネーフォワード クラウド請求書公式サイト |
MakeLeaps | 請求書、見積書、納品書作成が可能。電子署名にも対応。 | ◯(ユーザー1名・月5通まで無料) | MakeLeaps公式サイト |
選び方のポイント
請求書作成ツールを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 無料プランの制限(作成可能な請求書の枚数や機能の違い)
- インボイス制度に対応しているか
- 操作性の良さ(初心者でも使いやすいUIか)
これらの要素を比較し、自社の業務やフリーランスの働き方に適したツールを選択することが重要です。
特に、インボイス制度施行後は適格請求書の発行が必須となるため、対応ツールを選ぶと安心です。
まとめ
請求書テンプレートを活用することで、作成の手間を省き、フォーマットのミスを防ぎながら効率的に発行できます。
特にExcelやWord形式のテンプレートは編集しやすく、ビジネスに適したものを選ぶことで業務の効率化が図れます。
また、適格請求書等保存方式(インボイス制度)にも対応したフォーマットを使用することで、法的要件を満たした請求書を作成できます。
業種別のテンプレートを選ぶことで、必要な要素を含めた書類を簡単に作成できます。
さらに、クラウド請求書作成ツールを利用すれば、データ管理や自動計算などの機能を活用し、請求業務の手間を大幅に削減できます。
無料で利用できるテンプレートやツールを上手に活用し、業務効率化を目指しましょう。