スマホで納品書を作成するメリット
時間と場所を選ばず作業できる利便性
スマートフォンで納品書を作成する最大のメリットは、時間や場所にとらわれず業務を行える点です。
どこにいても、出先や移動中、外出先のカフェでも、取引先からの要望や急な依頼にその場で納品書の作成・送付が可能です。
これにより、従来はパソコンや事務所のプリンター前でしか対応できなかった状況から解放され、業務のスピードアップと柔軟な働き方が実現します。
また、リモートワークやフリーランスの働きかたにも適しているため、ビジネスパーソンの多様なニーズに応えることができます。
ペーパーレス化によるコスト削減
紙で納品書を発行していた場合、用紙代・プリンターの維持費・インク代・郵送費など様々なコストがかかります。
スマートフォンを活用した納品書作成ではデータ発行が基本なので、これらのコストを大幅に削減でき、 事務作業の効率化も進みます。
加えて、紙の保管スペースやファイリングの手間も不要になるため、オフィス内の省スペース化や業務環境の改善に直結します。
従来の紙納品書 | スマホ作成納品書 |
---|---|
紙代・インク代・プリンター維持費・郵送費が発生 | 紙・インク・郵送のコスト不要、スマホやアプリのみの運用 |
紙による管理・ファイリングが必要 | クラウド保存で管理も簡単 |
取引先への迅速な納品対応が可能
取引先からの納品書提出依頼や修正要望にも、スマートフォンから即時対応ができます。
従来、納品書の発行や修正には事務所に戻ったりパソコンを立ち上げたり、郵送の時間もかかりましたが、 スマホを活用すればアプリやクラウドサービスで即座に納品書を作成・PDF出力・メール送信が簡単に行えます。
これによりビジネススピードが飛躍的に向上し、取引先への信用と対応力も高まります。
また、修正や再発行も手元で完結するため、取引先との信頼関係をより強固に築くことが可能です。
スマホで納品書作成に必要なもの

スマートフォンとインターネット環境
スマホで納品書を作成するためには、まずスマートフォン本体と安定したインターネット環境が必須です。
OSはiPhone(iOS)やAndroidが主流で、最新バージョンであることが推奨されます。
アプリやサービスの多くはクラウド型を採用しているため、モバイル回線またはWi-Fiへの接続が不可欠です。
スマホとネット環境さえあれば、オフィスや自宅はもちろん、外出先でも納品書作成が可能です。
おすすめのアプリやクラウドサービス
スマホで納品書を効率的に作成するには、アプリやクラウドサービスの活用が不可欠です。
ここでは、業務効率化に役立つ代表的なサービスを紹介します。
サービス名 | 主な特徴 | 対応OS | 料金プラン(2024年6月時点) |
---|---|---|---|
マネーフォワード クラウド請求書 | 請求書・納品書・見積書など多彩な帳票の作成、テンプレート充実、自動保存、銀行連携機能あり | iOS、Android、Web | 無料プランあり、有料プランは月額980円〜 |
freee会計 | 会計データと連動した納品書作成、ワンタッチ共有、請求書などとの一元管理対応 | iOS、Android、Web | 無料トライアルあり、有料プランは月額1,480円〜 |
Misoca | 見積書・納品書・請求書の作成と郵送代行、テンプレートが豊富、PDF化・メール送信が簡単 | iOS、Android、Web | 無料プランあり、有料プランは月額800円〜 |
マネーフォワード クラウド請求書
クラウド上で納品書・請求書の作成と管理ができる人気サービスです。
スマホ専用アプリもあり、直感的な操作で納品書を発行でき、取引先情報や商品情報も自動反映させることが可能です。
電子帳簿保存法にも対応しており、ビジネスの信頼性向上に貢献します。
freee会計
会計ソフトと連動することで、取引内容と納品書作成がシームレスに行えるのが特徴です。
スマートフォンでもパソコンでもデータ共有が簡単で、クラウドベースなのでデータ紛失リスクも軽減できます。
経理業務と一体化しやすい点もメリットです。
Misoca
シンプルな操作性と豊富なテンプレートが魅力の納品書作成サービスです。
スマートフォンだけでなくタブレットからも利用可能で、PDF変換やメール送信、郵送代行など多機能を備えています。
個人事業主や中小企業に多数利用されています。
初心者でもできるスマホで納品書作成の手順

アプリのインストールと初期設定
スマホで納品書を作成するには、まず信頼できる納品書作成アプリをインストールすることが必要です。
App StoreやGoogle Playで「納品書」「請求書」などのキーワードで検索すると、「マネーフォワード クラウド請求書」「freee会計」「Misoca」などの実績あるアプリが見つかります。
インストール後、はじめにアカウント登録や初期設定(会社情報・事業者情報の入力)を行いましょう。
初期設定時には、会社名や住所、電話番号、請求先口座情報など、実際の取引で必須となる情報を正確に入力することが重要です。
このデータが今後の納品書作成時に自動転記されるため、入力の手間を減らせるほか、誤記載防止にも繋がります。
納品書テンプレートの選び方
ほとんどの納品書作成アプリやクラウドサービスは、複数のレイアウト・フォーマットを用意しています。
ビジネス用、個人事業主向け、シンプルなものや取引先指定のフォーマットが必要な場合もあります。
まずは用途に合ったテンプレートを選び、見やすさや、自社のブランディング(ロゴ画像掲載の可否など)も確認しましょう。
納品先のビジネス慣習や業種によっては、品番や担当者名、消費税表示方法など細かな項目のカスタマイズも必要です。
自社に合ったテンプレートを見つけましょう。
実際にスマホで納品書を作成する流れ
工程 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
取引先情報の入力 | 会社名、担当者名、住所、メールアドレス、電話番号など必要事項を入力します。 | 取引先リストに登録しておけば、次回以降は選択するだけで自動入力され時短になります。 |
商品の登録と明細の作成 | 商品・サービス名、型番、数量、単価、単位、消費税区分などを入力します。項目数はアプリによって異なります。 | よく使う商品はマスタ登録しておくと都度入力不要。明細行の追加・削除機能も活用しましょう。 |
納品日・金額など必要項目の入力 | 納品日、納品書番号、合計金額、発行日、支払い方法などを記入します。 | 納品日は取引条件に合わせて正確に入力しましょう。消費税表記や源泉徴収の有無も確認を。 |
納品書の確認と修正方法
納品書の入力が完了したら、内容に誤りがないか必ず確認しましょう。
多くのアプリではプレビュー機能があり、実際のレイアウトをスマホ上で確認できます。
記載内容に誤りや抜けがあれば、その場で簡単に修正可能です。
万が一納品書発行後に修正が必要な場合も、修正版を再発行できる機能が備わっていることがほとんどです。
特に納品先情報、商品明細、納品日、金額は取引トラブルの元となるため、念入りに見直すことが重要です。
また、自社の印影やロゴの挿入、備考欄の追記などカスタマイズが必要な場合も、編集画面から対応できることが多いので活用しましょう。
スマホで納品書を発行・送付する方法

PDF出力や印刷のコツ
スマホで作成した納品書を発行する場合、まずはPDF形式で保存する方法が一般的です。
多くの納品書アプリ(例:マネーフォワード クラウド請求書やMisoca、freee会計など)は作成した納品書をワンタップでPDFとして出力できます。
PDF出力を行う際は、プレビューボタンを利用して体裁を必ず確認し、データの誤入力やレイアウト崩れがないかをチェックしましょう。
アプリによっては、社印やロゴの自動挿入や、消費税表記の切り替え設定も可能です。
印刷が必要な場合は、スマートフォンからWi-Fi対応のプリンターを選び、直接印刷指示を出せます。
万が一プリンターが対応していない場合は、コンビニエンスストアのネットプリントサービス(セブン-イレブンの「ネットプリント」やローソンの「PrintSmash」など)を活用すると便利です。
発行方法 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
PDF出力 | レイアウトが崩れず正式な書面として使える | アプリごとに操作手順が異なるため事前に確認が必要 |
スマホから直接印刷 | 物理的な納品書が必要なときすぐに準備できる | プリンターとの接続設定や対応アプリが必要 |
コンビニ印刷 | 自宅やオフィスにプリンターがなくても出力可能 | PDFデータを事前にアップロードし、プリント番号を控える必要あり |
メールやLINEで取引先に納品書を送る
スマホでPDF出力した納品書は、そのまま取引先担当者へメール添付で送付できます。
アプリによっては「送信」ボタン1つでPDF納品書を自動添付し、定型文入りメールを開く機能もあります。
件名や本文に納品書番号や案件名、納品日などを記すことで、受け取る側の確認作業もスムーズになります。
最近はLINEやChatworkなどビジネスチャットを利用するケースも増えています。
PDFファイルをそのままトークルームやグループチャットに投稿すれば、すぐに確認・保存してもらえます。
なお、個人情報や機密情報の送信時にはパスワード付きPDFへの変換や、共有範囲の限定設定など、セキュリティにも配慮しましょう。
送付方法 | 特徴 | おすすめシーン |
---|---|---|
メール(Gmail、Outlook など) | 形式的なビジネス連絡に最適。転送・返信も容易。 | 正式な取引、書類としての証拠を残したい場合 |
LINE | 手軽かつ素早くやり取り可能。既読確認機能あり。 | 迅速なやり取り、個人事業主や小規模事業者同士の取引 |
Chatwork、Slack など | チーム内共有・履歴管理がしやすい | プロジェクト単位、社内外メンバーとの一括共有時 |
スマホだけでも納品書の発行と送付が完結するので、外出先や出張中でも迅速な対応ができます。
取引先のニーズやセキュリティ要件に合わせて、最適な発行・送付方法を選択しましょう。
注意したいセキュリティと法的観点

個人情報の取り扱い
スマホで納品書を作成する際は、取引先の氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報を適切に管理することが重要です。
アプリやクラウドサービスを利用する場合でも、通信内容の暗号化や、端末自体のパスワードロック、二段階認証といったセキュリティ対策を徹底しましょう。
公共のWi-Fiを使用する際は、第三者による情報漏洩リスクもあるため、できる限り安全なネットワークの利用を心がけてください。
また、個人情報保護法に則ってデータ管理を実施する必要があります。
業務で収集・保存した情報を第三者へ無断で提供したり、不必要に長期間保存したりすることのないよう、情報の扱いには十分注意しましょう。
セキュリティ対策 | 具体的な方法 |
---|---|
通信の暗号化 | SSL/TLS対応のアプリやサービスの利用 |
端末管理 | 強固なパスワード設定、指紋認証、顔認証等の活用 |
アプリの権限確認 | 必要最小限の権限のみ許可し、不要なアクセスは拒否する |
クラウドストレージ利用時 | 信頼性の高い国内サービスを選択、アクセスログの確認 |
電子帳簿保存法への対応ポイント
2022年1月から電子帳簿保存法が改正され、納品書などの国税関係書類をデータで保存する場合のルールが明確になりました。
スマホで納品書を作成・保存する場合も、法的要件を満たす必要があります。
ポイント | 概要 |
---|---|
真実性の確保 | タイムスタンプ、記録の改ざん防止機能が必要 |
可視性の確保 | 必要に応じて容易に検索・閲覧できる仕組み |
適切な保存期間 | 納品書は7年間の保存義務が基本 |
検索機能 | 日付・金額・取引先名などで検索可能であること |
クラウド会計ソフトや納品書作成アプリの中には、電子帳簿保存法に対応したものが多く提供されています。
導入前に対応状況を必ず確認し、取引先や税務署からの指摘にもスムーズに対応できる体制を整えましょう。
また、データのバックアップも定期的に行い、万が一の場合に備えておきましょう。
スマホで納品書作成によくある質問

よく使われる無料アプリは?
スマホで納品書を無料作成できる人気アプリについてご紹介します。
代表的なものには「Misoca」「マネーフォワード クラウド請求書」「請求書作成アプリ EASY INVOICE」などがあります。
これらは、基本機能が無料または一部無料で利用でき、納品書のフォーマット選択、ロゴ挿入、PDF出力、メール送信などが可能です。
特に、直感的な操作性や、テンプレートの豊富さ、日本の商習慣や税制に即した書式対応が評価されています。
多くのアプリは会員登録なしでも納品書の作成そのものは利用できますが、保存機能やクラウド連携は登録が必要な場合もあるので確認しましょう。
アプリ名 | 主な特徴 | 無料利用範囲 |
---|---|---|
Misoca | 請求書・納品書・見積書の全てに対応。スマホで簡単編集・発行。 | 基本発行・PDF出力は無料、郵送など一部有料 |
マネーフォワード クラウド請求書 | 会計・見積・納品書作成を一括管理。クラウド保存対応。 | 基本利用無料、さらに拡張は有料プランあり |
請求書作成アプリ EASY INVOICE | 納品書含む複数フォーマット搭載。PDF出力や簡単メール送信。 | 基本機能無料、追加機能の一部は有料 |
パソコンとの連携はできる?
例えば「マネーフォワード クラウド請求書」や「freee会計」「Misoca」といった主要クラウドサービスでは、スマホで作成・保存した納品書をパソコンでアクセスし編集したり、その逆もスムーズに行えます。
また、データはクラウド上で同期されるため、スマホ・パソコンを問わず最新の情報にアクセスでき、外出先やオフィスでの作業分担にも最適です。
ただし、一部のアプリではアカウント登録や有料プランへの加入が必要な場合があるため、事前に利用条件を確認しておくことをおすすめします。
紙の納品書も必要なの?
多くの企業や個人事業主は、メールやチャットツールで納品書PDFを送れば十分としていますが、一部の取引先では紙の納品書が指定される場合もあるので注意が必要です。
その場合でも、スマホから納品書をPDF出力し、パソコンやコンビニプリント、家庭用プリンターを使って簡単に印刷できます。
今後、電子帳簿保存法など電子化の推進により、紙の納品書が不要となるケースは増えていますが、念のため取引先のルールを必ず確認しましょう。
まとめ
スマホで納品書を作成・発行することで、時間や場所を問わずスピーディーな取引対応が可能です。
マネーフォワード クラウド請求書やfreee会計、Misocaなどの信頼できる国内サービスを活用し、ペーパーレスやコスト削減、法対応を実現しましょう。
今後の業務効率化のためにもおすすめです。