請求書作成を無料で行うには？クラウドやExcelテンプレート活用法を解説

請求書を無料で作成したい人のための基礎知識

請求書が必要となる主なシチュエーション

請求書は、取引先やクライアントに対し、商品やサービスの代金を請求するときに発行する書類です。

個人事業主やフリーランスの方から中小企業まで、あらゆるビジネスシーンで重要な役割を果たします。

特に以下のようなシチュエーションで必要となります。

帳簿保存法やインボイス制度の導入により、請求書の重要性はさらに高まっています。

適切なタイミングで請求書を発行し、正確な記録を残すことが求められています。

請求書作成で抑えるべき必須項目

無料で請求書を作成する際も、記載すべき必須項目を正しく押さえていないと、取引先が認めてくれなかったり、税務上のトラブルの原因になることがあります。

下記の項目は、ビジネスにおいて一般的に必要不可欠なものです。

これらの必須項目が正確に記載されていることが、取引上のミスや誤解を防ぎ、税務調査や会計監査に対しても信頼性の高い書類となります。
また、エクセルやクラウドサービスを利用する場合でも、これらの項目をカバーできるテンプレートや機能を活用すると安心です。

無料で使える請求書作成方法を比較

請求書を無料で作成する方法にはいくつかの選択肢があります。

それぞれの方法には特徴やメリット・デメリットがあり、ご自身の業務や利用環境に合わせた最適な方法を選ぶことが重要です。

ここでは、主要な無料請求書作成手段として「クラウドサービスの利用」「Excel・Wordテンプレートの活用」「スマホアプリ・ウェブサービスの活用」について詳しく比較して解説します。

クラウドサービスの活用ポイント

近年、多くの中小企業や個人事業主が無料で利用できるクラウド型請求書サービスを活用しています。
これらのサービスは、Webブラウザ上で請求書の作成・送付・管理が行えるのが大きな特長です。

代表的なサービスにはfreee、マネーフォワード クラウド請求書、Misocaなどがあります。

• インターネット環境があればどこでも請求書の作成・確認が可能
• レイアウトの自動作成や消費税自動計算などの便利機能付き
• メール送付やPDFダウンロード、クラウド上での保存が簡単
• 無料プランは請求書作成枚数や機能に制限あり

クラウドサービスはインボイス制度への対応や、自動バックアップ、セキュリティ強化が進んでいる点も魅力です。

Excel・Wordテンプレートを使うメリットと注意点

ExcelやWordで提供されている請求書テンプレートは、パソコンに標準搭載されていることが多く、手軽に無料で始められる手段です。

カスタマイズの自由度が高く、独自のロゴやレイアウトの変更ができる点が利点ですが、手作業での入力ミスや計算ミスにも注意が必要です。

• 自分好みのデザインや項目追加がしやすい
• Excelなら関数で自動計算を設定可能
• メール添付でPDF化も容易
• インボイス制度対応フォーマットを自分で整える必要がある場合も
• データ管理や履歴の追跡には手間がかかることがある

ExcelやWordは利便性が高い一方で、最新版テンプレートを使う、バックアップを取るなどの対策が求められます。

▶ 請求書テンプレートWord版｜無料ダウンロード
▶ Excel適格請求書テンプレートをダウンロード
▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

スマホアプリやウェブサービスでの請求書発行について

パソコンがなくても、スマホアプリやシンプルなウェブサービスを使えば外出先や急ぎの場面でも請求書の作成・送付が無料で可能です。

• スマートフォン一つでデータ入力から発行、PDF送信まで完結
• 無料プランは利用できる機能や発行通数に制限があるケースが多い
• メールやLINEでそのまま送信できるアプリもある
• 銀行連携や決済機能付きのアプリも一部存在

スマホでの請求書発行は、フリーランスや現場作業が多い事業主などに特に人気の方法です。
ただし、サービスによっては作成履歴の保存期間やテンプレートのバリエーションに違いがあるため、用途に合わせて選びましょう。

いずれの方法も無料で始められますが、請求書の管理方法や取引先への信頼性、操作性、自社の業務フローに合ったものを選択することが大切です。

▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

おすすめの無料クラウド請求書作成サービス

無料のクラウド請求書作成サービスは、インターネット環境があればPCだけでなくスマートフォンやタブレットからも請求書が発行でき、業務効率化やミス防止、法制度対応の観点から多くのビジネスパーソンに支持されています。

以下では代表的な人気クラウドサービスの特徴と、その違いについて詳しく解説します。

freee請求書作成ツールの特徴

freeeの請求書作成ツールは、個人事業主や中小企業に人気のクラウド会計「freee」が提供する無料ツールです。

シンプルな操作画面で、はじめての人でも直感的に請求書を作成できます。無料プランでも請求書・見積書・納品書の作成が可能で、PDF出力やダウンロード、簡易的なカスタマイズもできます。
また、郵送代行サービス（有料）を利用でき、オンライン上で請求書発送まで完結できるのが大きな魅力です。

インボイス制度にもいち早く対応しているため、適格請求書発行事業者番号の自動挿入など最新の法制度への適応も安心です。

マネーフォワード クラウド請求書の使い方

マネーフォワード クラウド請求書は、会計クラウドで圧倒的なシェアを誇るマネーフォワードが運営する請求書作成サービスです。

直感的なUIで何枚でも無料で請求書の下書きやPDF化ができるほか、見積書や納品書もワンクリックで変換可能です。

履歴管理も手軽で、繰り返し同じ得意先に請求書を送る場合でも管理が簡単です。

インボイスや電子帳簿保存法にも沿った形式で出力でき、安心して利用できます。

郵送やメール送付など一部機能は有料プラン限定ですが、個人利用や小規模事業者なら無料範囲でも十分に活用できます。

Misocaの無料プランでできること

Misoca（ミソカ）は、シンプルで分かりやすいUIが特徴のクラウド請求書発行サービスです。

無料プランでも月5通まで請求書の作成とPDFダウンロードが可能で、小規模事業者や副業ユーザーから高く評価されています。

請求書テンプレートも豊富で、ロゴ挿入によるブランディングも可能です。郵送サービス（有料）や自動メール送信、見積書や納品書の発行にも対応。

インボイス形式にもアップデートされていて、法制度変更にも対応できる安心感があります。

その他のおすすめ無料請求書作成サービス

INVOY（インボイ）は、広告表示はありますが完全無料で請求書・見積書・納品書の発行・保存ができるクラウドサービスです。

シンプルな作りで誰でも簡単に請求書作成ができ、データをクラウド上に保存できるためバックアップの心配もありません。

電子インボイス制度にも対応している点が今後の業務に大きな安心材料となります。
その他、Boardや領収書作成君のようなシンプルかつ無料のサービスも多く、用途や発行枚数に応じて使い分けるのもおすすめです。

このように、多彩な無料クラウドサービスの中から、業務量や利用目的に応じてぴったりの請求書発行サービスを選ぶことが、効率的かつ安全な請求書業務につながります。

▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

無料テンプレートを利用して請求書を作る方法

近年、無料で使える請求書テンプレートを活用する方法が広がっています。

クラウドサービスや専用アプリに加えて、パソコンで編集できるExcel・Wordのテンプレート、さらにはGoogleスプレッドシートなども多く出回っています。

ここでは、それぞれのテンプレートのメリットや使い方、注意点について詳しく紹介します。

Excelで作る請求書テンプレートのダウンロードと活用手順

無料の請求書テンプレートは、公的機関や会計ソフト企業、士業事務所などが配布しています。

Excel形式は編集自由度が高く、消費税や合計金額の自動計算機能が備わったものも多いため、パソコン操作が苦手な方でも簡単に請求書作成が可能です。

実際のダウンロード後は、自社名、取引先情報、商品・サービス、金額、発行日、支払期限、振込先口座等の必須項目を入力します。消費税率や源泉徴収の欄もテンプレートによっては用意されていますので、事業形態に応じて調整します。

編集・保存・送付の流れ

ダウンロードしたファイルを開き、必要な情報を上書き編集します。PDF形式に変換して保存することで、改ざんリスクを防ぎ、安全にメール添付などで相手に送付できます。また、エクセルを使えば書式のカスタマイズやロゴ挿入なども自由自在に行えます。

▶ Excel適格請求書テンプレートをダウンロード
▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

Wordテンプレートも活用する方法

Microsoft Word用の請求書テンプレートも数多く無料配布されています。Excelほど自動計算機能はありませんが、文字の修正やフォーマット調整が簡単なので、文章部分の多い請求書にも向いています。特に、スタイリッシュなデザイン性や印刷品質にこだわりたい場合におすすめです。

使い方はExcelと同様に、ダウンロード後に自社情報や請求内容を入力し、PDF形式などで保存・送付します。

▶ 請求書テンプレートWord版｜無料ダウンロード
▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

Googleスプレッドシートを活用する際の注意点

近年はGoogleスプレッドシートによる無料請求書テンプレートも注目されています。クラウド上でリアルタイム編集ができ、スマートフォンやタブレット端末からもアクセス可能なため、出先やテレワークにも相性抜群です。

テンプレートはGoogleドライブで「テンプレートギャラリー」から選んだり、ネット上の無料配布ファイルを「コピーして自分のドライブに保存」することで使えます。

ただし、取引先へそのままURL共有する場合は「編集権限」や「公開範囲の設定」などセキュリティ管理が必須です。PDFに変換してダウンロードし、メール添付やプリントアウトで送るのが安全です。また、インターネット環境が必要になる点も考慮しましょう。

▶ Googleスプレッドシート｜無料請求書テンプレートダウンロード
▶ 請求書を無料テンプレートでPDF作成してみよう。

無料で請求書を作成する際の注意点とよくある質問

無料サービスと有料サービスの違い

無料サービスと有料サービスの最大の違いは、利用できる機能の範囲、サポート体制、データ保存やセキュリティのレベルにあります。無料サービスでは、請求書作成機能が制限される場合が多く、カスタマイズできる項目や作成できる枚数に上限が設けられていることがあります。
また、サポート面でも有料サービスに比べて問い合わせ対応が遅い、あるいはサポート自体がないことが多いです。

有料サービスに乗り換えることで、インボイス制度への自動対応や、API連携による業務効率化、安心のサポート体制、データの長期保存など、ビジネスの成長に合わせた拡張性が期待できます。

セキュリティ・保存期間の注意点

無料サービスはセキュリティ対策やデータ保存期間が有料サービスと比較して限定的なことが多い点に注意が必要です。

請求書には取引先の会社名・金額・口座情報など、個人情報や機密情報が記載されるため、情報漏洩対策が重要です。

無料クラウドサービスによっては、データの暗号化やバックアップ頻度が低い場合もあります。
さらに、一定期間（例：3ヶ月や1年）を過ぎると作成済みデータが自動的に削除されたり、アカウントが利用停止・削除されることがあります。

法的には、請求書などの証憑書類は原則として7年間保存する必要があるため、長期保存対応の有無も必ず確認しましょう。

インボイス制度対応のポイント

令和5年10月から始まったインボイス制度（適格請求書等保存方式）対応の可否も非常に重要なポイントです。

インボイス対応の請求書を無料で発行したい場合、使うサービスやテンプレートが「適格請求書」要件を満たしているかに注意しましょう。

適格請求書には、「登録番号」「税率ごとの消費税額」「取引内容」など記載項目の追加が求められます。

無料サービスの中には、インボイス対応フォーマットを提供していないものも見られます。

現在及び将来的な消費税対応に不安がある場合は、インボイス制度対応済み、もしくはアップデート予定が明記されているサービスかどうかを必ず確認してください。

無料請求書作成によくある質問

まとめ

請求書作成を無料で行う方法には、freeeやマネーフォワード クラウド請求書、Misocaの無料プランなどのクラウドサービスのほか、ExcelやWordテンプレートの活用があります。

手軽さやセキュリティ、インボイス制度対応など、自分の業務スタイルや必要性にあった方法を選ぶことが大切です。比較して最適な方法を利用しましょう。